エッセイ

神さまがくれた時間-11.

11.Giving Recieving

このアルバムの最後の曲。このブログを書くのに、3か月ほどかかってしまったのは、その間にいろいろなことがあったというだけではなく、このタイトルがあまりに壮大な意味合いを持っているからです。

ラーシュ・ヤンソンのこのアルバムのタイトル曲「Giving Recieving」は、2000年のスウェーデン国営ラジオが毎年主催する新しい音楽創造プロジェクト「ノルディック・ミーティング」で、リーダーに選ばれたラーシュ・ヤンソンが、管楽器らをフューチャーして書き下ろした曲です。

2003年の横浜ジャズプロムナードには、ボーヒュースレン・オーケストラと来日し、ゲスト出演をしました。オーケストラとは別バージョンで、6本ほどの管楽器でこの演奏をしていて、生でこの曲を聞けることのできた素晴らしい機会でした。

さて、”Giving Recieving”をどう訳すか、一番頭を悩ますところです。読んで字の如しということにしておきましょう。ただし、彼のタイトルはかなり哲学的で深い意味のことが多いので、それがこのブログをなかなか書けなかった一因です。

この数か月、自分にとっても生と死をふたたび考え直す時期でした。そして考えれば考えるほど、それは曖昧模糊なものとなり、そしてこのGiving Recievingを思い起こさずにはいかなかったのです。

アルバムの曲順を考えるうえで、この曲は当初から最後に持ってこようと思っていました。なぜならこの短い言葉にすべてが含まれているように思ったから。そしてアルバムの意味に深く関わっているように思ったから。

この曲も全員が参加しています。百々さんのアレンジのおかげで、もともとのラーシュのオリジナルの匂いを残すことができました。ここでは特にフリューゲルホーンのマイク・ロドリゲスのソロが光っています。

同じ時期にラーシュ自身がアレンジした、室内楽での実験的なアルバム”Worship of Self”でのこの曲のアレンジは、クラシック的な要素を取り入れながら、素晴らしい”Giving Recieving”になっています。実はこのアルバムは彼にとってはかなり力の入った1枚です。ぜひもっとたくさんの方に聞いていただきたい一枚です。私のこのアルバムと同時期にレコーディングしています。
https://diskunion.net/jazz/ct/detail/JZ080617-58

このアルバム”Time He Gave Me”はアイディアを温め始めてから制作までに20年近くかかっています。その間にピックアップされた曲はそれぞれに発酵し、私自身に寄り添ってくれました。それに関わった人たちも奇跡的に集まり、繋がり、そしてそれぞれの人がさらに大きな羽根を広げました。これは作ったアルバムというより、作らされたアルバムのように思います。そしてそれこそ、神さまのプランであり、この時間が神さまがくれた時間だったように思います。

最後に、ライナーノーツから:
10. Giving Recieving     Composed by Lars Jansson , Arranged by Toru Dodo
これもラーシュ・ヤンソンの曲。与えた者にこそ、その空いた手でギフトを受け取ることができるのでは。そんな意味をこめて。

※”Giving Recieving”の試聴はこちらから
https://music.apple.com/jp/album/giving-recieving/301376834?i=301376855


※アルバム購入はこちらから。https://www.amazon.co.jp/dp/B001MSU7WK/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_T7CJ23MRMXXB42W4M7RJ

Cherry Blossom

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