エッセイ

神さまにはプランがある~続編-12

12. レコーディングメンバーについて

メンバーはすべて百々さんに選んだもらった。曲想によってこういう音が欲しいと、百々さんとも打ち合わせをし、結局9名での大所帯なレコーディングになった。特にストリングスについては彼自身はあまり仕事を一緒にする機会がないので、どこかの伝手で探してくれた。彼のためならと、ニューヨークのみならず、海外でも活躍するメンバーが、揃っている。

Arrangement, Director : Toru Dodo(百々徹)

 バークレー音楽院ジャズ作編曲科を首席で卒業後、NYに在住。この年の5月にはBronxのアーティスト25人に、選ばれている。Blue Note New Yorkのみならず、海外でのツアーも多い。
 この百々さんとの出会いは、遡ること1年ほど前、友人の誘いで新宿ピットインのライブでの衝撃的なイメージだった。独特な音作りと何よりその美しいピアノの音。すぐにファンになって、最後に配られるアンケートに記入したのが、この出会いのきっかけ。その時にはこんなご縁になるとは思ってもいなかった。
 このレコーディングではメンバー集め、ギャラ交渉、レコーディングスタジオの手配、リハーサルスタジオの手配などだけではなく、アレンジ、ディレクションもお願いした。百々さんの信頼度でこれだけのメンバーが集まり、意思疎通もスムーズにいった。
 そして百々さんはレコーディングにはいつも差し入れをメンバー全員に用意をしてくれた。そういう心配りができる人。
 

 Flute, Clarinet, Soprano Sax : Irwin Hall

 このレコーディングでは木管楽器のパートをひとりでオーバーダブしている。親日家のIrwinはPrinceton大学で日本語を専攻していて、早稲田のハイソで日本語で教えたこともあるそうだ。とってもやさしくて礼儀のいい人。レコーディング後、彼から電話があって、今セッションしてるんだけど、みどり来ない?って誘われた。ビビッて行けなかった私…
 

 Flugel Horn、Bird Soud : Michael Rodriguez

 音楽一家に生まれた彼は、Quincy Jones, Eric Reed, Clark Terry, Harry Conick jr., Bob Mintzer,Toshiko Akiyoshi Orchestraらとの共演、また、Lincoln Center Jazz Orchestra,Charlie Haden’s Liberation Music Orchestra,Carnegie Hall Jazz Band, Carla Bley Band and Quintet, Kenny Baron’s Quintet, の一員として活躍. 特にCharlie Haden’のグラミー賞受賞アルバム¨Land of the Sun¨に参加。奥さんが日本人らしく、彼も根っからの親日家。
 レコーディング中、彼が口笛で鳥の声を真似て遊んでいた。帰りがけ、彼のリュックをぎゅっと引っ張って、「待って!その口笛を録音させて!」ってお願いして、Azul! Azul!の最初の鳥の音になった。彼にとっても唯一の口笛でのレコーディング。

 Guitar : Paul Meyers

ブラジル音楽アンサンブルの教鞭もとっている彼は、多くの巨人達と共演。Karrin Allisonとブルーノートに来日もしている。Kenny Barron, Wynton Marsalis, Woody Herman Orchestra, Duke Ellington Orchestar, Eliane Elias,Jon Hendricksなどと共演しています。ニュージャージ在住で名誉市民になっている。ここではエレキとアコースティックを持ち替えて参加してくれている。

 

 Bass : 脇 義典(Yoshi Waki)

 百々さんとほぼ同期でバークレー音楽院卒業後そのままNYに在住。バークレーでは特別技能賞を授賞。卒業後ブロードウェイミュージカル「フォッシー」のナショナルツアーカンパニーに参加し全米及び日本を二年にわたりツアーをこなす。クラシックからジャズまで何でもこなせるベーシスト。曲によってエレキとアコースティックを持ち替えてくれている。

 このレコーディングの後は、モントルージャズの出演があり、「車で行くとそう遠くないんだよ」って言ってた。

 

 Drums : Quincy Davis

今もっとも注目されるNYの若手ドラマーのひとり。Billy Hartに師事しその才能を開花。Boy Haynes, Wynton Marsalis, Frank Wess などと共演。特にBenny Green,Tom Harrel Quintet とはツアーメンバーとして全世界で演奏している。確か今回はCurtis Fullerとツアーに出ていたと言っていた。日本にもよく来日しているようで、セイコー・ジャズでも教鞭を取っている。彼との共演はとてもやりやすくて、よく作曲家の意図を理解し、こちらのリクエストにも答えてくれる、とってもあったかい人柄のドラマー。

 

 Percussion : Kahlil Kwame Bell

 ワールドワイドなパーカッショニストで、Michelle CarrRoberta Flack, Mark Murphyなどと共演。彼は百々さんとは面識がなかったようだが、偶然レコーディング前日に共演の機会があったようだ。たくさんのパーカッションを持ってきてくれた。独特なアフリカのリズムで、ボサノバの時には私がこうやって叩いてほしいとリクエストした。嫌な顔もせず、そのリクエストにも答えてくれた。大きな体にやさしい心の持ち主。

 

 Violin, Viola : Pauline Kim

 すばらしいプロフェッショナル魂の持ち主。ブロードウェイから映画音楽、シンフォニーまで幅広く活躍する。マイケル・ブーブレやジョニ・ミッチェル、ロッド・スチュアートなどとも共演している第一線のバイオリニスト。
 ストリングスの録音ではバイオリンとヴィオラを多重録音している。タイトル曲のTime He Gave Meから録音したが、「これ、あなたが作ったの?素晴らしいわ。本気で弾きたいので、立って弾いてもいい?」って嬉しいことを言ってくれた。彼女の集中力は数時間ずっと緊張を保って、最高の音を作ってくれた。

 

 Cello : Christen Kim

Yoshi, Me, Quincy

 Paulineの妹。実は兄もViolaをやっているという音楽一家。彼女もブロードウェイからシンフォニーまでなんでもこいのプロフェッショナル。やはり、姉と同じくマイケル・ブーブレ、ロッド・スチュアートなどツアーなどにも参加してる。
 ストリングスは少ないほど音がシビアだ。かなりの集中力を要するレコーディングだったが、彼女たちは一切手抜きなしの音作りをしてくれた。

※当時のブログをご覧になれます。
https://blog.goo.ne.jp/midopi_2005/e/3a84288204fa606a3a19aa7a7ccb8e04

Quincy Davis, and Me

Kahlil Kwame Bell and Me

Pauline Kim, Christen Kim and Me

Michael Rodriguez and Me

Irwin Hall and Me

Paul Meyers and Me

Jim Clause and Me

Toru Dodo and Me

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