エッセイ

神さまにはプランがある~続編-11

11. ポエトリーというカルチャー。そして音楽療法について

もうひとり紹介したい女性がいる。仲本先生からスーパーな女性がいるので、紹介したいということで、お宅に伺った。そこで初めてお会いしたのが福永佳津子さん。この方とはその後も長いおつきあいになっている。尊敬する女性のひとりだ。海外生活カウンセラー、ロングステイ財団理事、海外邦人安全協会理事、NPO国際人をめざす会理事と多くの肩書きをお持ちで、日経新聞などにもコラムを書くなど、まさにスーパーウーマン。9.11の折には誰よりも早く飛行機に乗り込み、現地での状況を取材をされた。当時、まずささやかれたのが、パールハーバーを思い出しての日本の攻撃だったという。そんななかでひるみもせず、救済にあたったという勇気の持ち主。


福永さんと奥様ミヨコさん、そして私に拉致された仲本先生はアッシー君となり、私たちをウィンドウショッピングへ。そしてレストランを回って、さて、今日の目的地、グリニッジ・ヴィレッジへ。

このあたりでも有名なジャズクラブ”Smalls Jazz Club”。この日は、ポエトリーの宴。ポエトリーとは詩の朗読なのだが、今回はChristine TimというWestchester communitie大学助教授が主催。彼女とは友人であるマミさんが私を誘ってくれて、私の詩を英語に訳し、彼女が朗読、私がピアノを弾くというスタイルでセッションに参加した。コロンビア大学客員教授のBob Halmanが、「僕が朗読するときもピアノ弾いてくれる?」と誘ってくれたので、アフリカから珍しい楽器を抱えてきたサリエウとともに、彼の詩に即興で演奏をつけていく。3曲も参加させてもらった。その後百々さんにそのことを話すと、あんなすごい店でピアノ弾いたんですかとびっくりしていた。

さて、もうひとりの通訳ボランティアに手を上げてくれたカオルさん。ニューヨーク大学にある研究施設「ノードフ・ロビンス音楽療法センター」の見学にお誘いいただき、数人で伺った。

 

作曲家かつピアニストであったポール・ノードフ博士と、特殊教育にかかわっていたクライブ・ロビンス博士とのコラボで開発された新しい音楽療法の形だ。この療法の発展にはロビンス博士の奥様であるカオルさんの力が欠かせない。

当初からのいろいろな研究資料を見せていただきながら、実際にどのような音楽療法かをビデオで見せてもらった。対象は発達障害の児童を中心としていて、重度な症状の子供も多い。ひとりの子供に対して、ピアノで即興演奏をしながら音楽に誘っていく人、子供に寄り添いパーカッションなどで興味惹きつけていく人、そしてその様子をビデオで記録していく人の3人が必要になる。そしてセッション後はインデックスという作業が欠かせないという。これは記録ビデオから、その子がどのような音にどのように反応していくかを分析していく作業だ。この研究所でカオルさんにも信頼される若いナツさんとも知り合った。世界でもっとも進歩的な音楽療法と言われる、ノードフ・ロビンス療法。ノードフ博士が亡くなり、この数年後にはロビンス博士も他界されて、カオルさんの肩には大きな重責がかかっている。そして彼女は前だけを見て、この研究所を引っ張っていく。ここにも大きな輝きを持つ女性がいる。

さて、6月に入ると、セントラルパークでの大きなイベント、JAPAN DAYのお手伝いをした。予想来場数は14000名。コンサートや空手パフェ―マンスなどの開催の他、トシコさんは折り紙ワークショップ、そして私たちはウェルネス・チェックで参加。血圧や身長・体重などを計って健康状態に問題があれば、医師が軽いアドバイスをする。私は身長・体重を図る役目を仰せつかったが、何せヒスパニック系の人たちが意外と多く、彼らは英語を話さない。忘れかけているスペイン語と身振り手振りでコミュニケーションを取りながら、お手伝いをした。

実はせっかくニューヨークに来て、ほとんどライブには行かなかった。6月後半のレコーディングまでに影響を受けすぎることは避けたかったからだ。
ニューヨークで唯一見たコンサートは、リンカーンセンターでのバイオリニスト五嶋みどりさんのコンサートだった。彼女はあまり多くのコンサートに出演しないので、これは貴重な機会だった。

ニューヨーク行きが決まり、仲本先生から「ピアノを弾きませんか」と言われた時、小学校の同級生のそのことを話した。「みどりちゃん、すごいじゃない!どこに出演するの」「あまりよくわかったないのよね」彼女はすぐに検索をして折り返しの連絡があった。「すごいわよ。みどりちゃんってリンカーンセンターに出演するらしいよ」「ええ!私ってリンカーンセンターでピアノ弾くの?何着ていけばいいかなぁ」「もちろん着物でしょ!」
このコンサートがその”みどり”のリンカーンセンターのコンサートだったのだ。

百々さんとの打ち合わせで百々さんの出演する店には2カ所ほど行った。でも結局はSmalls Jazz Clubが唯一のセッションになった。でも後悔はしていない。それ以上に有意義な毎日を過ごしたから。

まるでレコーディングのことを忘れているような活躍ぶりだが、次回からはやっと本来の目的、レコーディングについて話そうと思う。

※当時のブログをご覧になれます。
https://blog.goo.ne.jp/midopi_2005/e/68363b7d3326142ea0eb6993d3fdefd9

College

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New York City

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