エッセイ

小さい頃寝るのが怖かったんです。

 なぜって、いつも怖い夢を見るから。幽霊だかお化けだか夢に出てきて、だから怖かった。「おやすみなさい」って部屋の電気を消されるのが、とにかく怖かったんです。もう疲れてしまって訳もなく寝てしまう以外は、寝るのに勇気がいったわけです。だって、これから幽霊から逃げ回らなくちゃいけないから。

 そんな私を救ってくれたのが、ディズニー映画だった。父はディズニー映画のほとんどに連れて行ってくれた。だから、私は古いディズニー映画はほとんどリアルタイムで見ている。たった1本見逃したのが、兄がひとりで見に行ってしまった「白雪姫」。「眠りの森の美女」「ピノキオ」「白雪姫」「ダンボ」「王様の剣」「わんわん物語」「101匹わんちゃん」「アラジン」・・・

 特に「眠りの森の美女」はパンフレットを買ってもらって、それを枕元に置いて寝た。その時、初めて怖い夢じゃなくて王女様が住んでいるお城がフルカラーで出てきたもんだから、びっくり。サントラのレコードも買ってもらって、ずっと飽きもせず、そのレコードをかけながらパンフレットを毎日毎日見ていたの。そしたら、だんだん怖い夢を見なくなった。だからディズニーは私を怖い夢から救ってくれたのね。

 その後も「ピノキオ」では星の妖精が彼の夢を叶えようと出てくるんだけど、私も夢を叶えてほしいと思って、夜空を眺めながら、お友達にする星を見つけた。私だけのお友達ができたことがすごくうれしかった。ところが、次の日、星はいっぱいありすぎて、どれがお友達の星だったかわからなくなってしまった。

 実はピノキオはコワイお話です。グリム童話や日本の昔話は怖くて残酷な物語が多い。でも子どもにとっては、ちゃんとハッピーエンドが残るんですね。少なくとも私はそうだった。
 
 ディズニーのおかげで音楽が好きになった。その後「サウンド・オブ・ミュージック」や「マイフェアレディ」などのミュージカルもリアルタイムで見たけど、私のルーツはやっぱりディズニー。そして今でもディズニー映画を見るときは、子どもの心で見るようにしています。

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