エッセイ

わかれ道は突然やってくる-13

病気は学びの時

タグリッソという分子標的薬があって、効果も高く評判もいい、ただし私にはそれも効果がなかったため、次の抗がん剤治療を試すことになった。10月4日から1週間の予定だった。ところが始めてみると、古傷が顔を出してきた。肺から胃、骨盤まで痛みがなかなか治まらず、下血があった。胃から十二指腸にかけて内視鏡検査をしたところ、昔からの胃潰瘍、十二指腸潰瘍が多数見つかった。そのため内出血が起こり、かなりの貧血になった。初めての輸血もした。24時間点滴で絶食が5日間ほど続いた。

7月の静岡の入院で全身ペットなど徹底的に検査をしたところ、原発巣である肺がんから、脳腫瘍、骨ガン、リンパ腺種に転移しているのだが、さて、今度は古傷の胃腸潰瘍だ。オンパレードだね。

今回の入院では、退院後の訪問診療の手配、そして緩和ケア病棟の手配までを、当院患者サポートセンターのおかげで、準備することができた。また、延命治療拒否の書類にも署名することができた。

結局、入院期間は25日間に延び、帰宅後ももうしばらく大人しくしていることにした。
10月からの通常営業再開の夢は儚く消えたけど、ゆっくりリハビリします。

さて、病院にいると、特に多床部屋の場合、カーテンで仕切ってあるだけなので、他の患者さんへの手術の説明、病状の説明などを窺い知ることができる。ここでは看護師さん、回診の医師たち、薬剤師さん、栄養士さん、などが入れ替わり立ち替わりやってくる。それらの説明はとても参考になる。患者さんの個性はさまざまで、そんなやりとりも興味深い。特に看護師さんの対応は素晴らしい。そして1番頑張っているのが、患者さんたち自身だ。

病気は大きな試練のひとつ。そしてそれは試練の場でありながら、学びの機会でもあると思う。

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